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「オルフェオ」リチャード・パワーズ

金沢21世紀美術館「現在地」で展示されていた一品。 https://twitter.com/satootsuyoshi/status/1174665604055199744?s=21 ちょっと読みづらいのだか、仕掛けがわかると一気に感情が溢れ出しますな。 ピーター・エルズのツイッターアカウント、一応あるみたい。日本語でbotつくろうかな。 https://twitter.com/TerrorChord 私は間違いを犯したかもしれない。しかしケージもこう言っている。「間違い」という表現は的外れだ。どんな出来事であれ、いったん起きれば、それはもう歴として起きてしまったことなのだから。 「グリンプス」と「バイオパンク」を再読しよう。 「オーバーストーリー」って新刊も出てるからチェックしよう。

「草を結びて環を銜えん」ケン・リュウ

何これ、サイコーだ。思い出すだけでグッとくる。なぜだろう、このかんじ。 美しい反骨精神? 「訴訟師と猿の王」もよかったねえ。短編集「母の記憶に」所収。 「草を結びて璦を銜えん」のタイトルで文庫も出ているようだ。チェックしよう。

「140字の戦争」デイヴィッド・パトリカラコス

ナラティブ、ナラティブ言いすぎ。ていう。 WIRED 「ナラティブと実装」、「アメリカの極右」ジェームズ・リッジウェイを併読しつつ。

「死後開封のこと」リアーン・モーリアリティ

文喫でジャケが気になってた一冊。装画は伊藤彰剛。 渋いミステリ物かと思いきや、「ため息つかせて」テリー・マクミラン的な大人の女性の群像劇であった。原題は「The Husband's Secret」。 世代が一緒。ベルリンの壁崩壊が海外の若者のカルチャーというか考え方・態度に与えた影響が横糸で描かれていて共感した。 洗練された大人の女性の物語でもあり、主軸のミステリが大映テレビ的でもある。そこがいいんでしょうなあ。

「WTF経済」ティム・オライリー

インターネット総まとめ。数々の引用、サンプリングが印象的なリファレンス集。 未来はすでにここにある。ただ均等に分配されていないだけだ。 ウィリアム・ギブスン 人は常に今後2年で起こる変化を過大評価し、今後10年で起こる変化を過小評価する。 ビル・ゲイツ コリイ・ドクトロウ「マジック・キンダムで落ちぶれて」を探して読んでみよう。 要点は3つ。正しい地図を使う、プラットフォーム思考であれ、スーパーマネーに踊らされるな。

『JOKER』

優れた映画は未来を予言する。 マスクして暴動。実存以外に勝ち取るものがない暴力。 そういったことが『タクシードライバー』以来の衝撃で描かれていた。 でもって『ダークナイト』に見事につながっているのだった。

「小説禁止令に賛同する」いとうせいこう

WIRED掲載のミラーワールドで「アイデンティティ」を思索するための6冊、とともに紹介されていた編集部セレクトの中でで気になった一冊。 小説世界と作者/読者世界、映像やコミックでいう第4の壁というミラーワールドの存在がけしからんという。 鏡写しだから賛成の反対なのだという反骨の書。

「どろにやいと」戌井昭人

芥川賞候補になったときに聞いた「文学賞メッタ斬り」で、例えがちょっとアレだよねの意味がわかりました。世界はマトリョーシカでできているって考えると不思議。

「つみびと」山田詠美

蔦屋書店で買ったサイン本。辛すぎて読み進められない展開、そして最後のページでどっと押し寄せる何とも言えない感情。副題はSINNERS。ひとりじゃない。

「古森の秘密」ディーノ・ブッツァーティ

文喫で見つけた一冊。帯で金原瑞人さんが激賞していた。 毛虫のくだりは何の意味があったのだろう。 映像化不能な、極めて映像的なおとぎ話。1935年の著作。

「合葬」杉浦日向子

ロスパペロテスでジャケ買い。雨降ってたんで。しみましたナ。 「ハ・ジ・マ・リ」なる前口上で、志ん生の言葉が引用されていたり。 “上野の戦争” の物語。

『ディザスター・アーティスト』

サイコーです。見たかったんですよこれ。Netflixで見れてよかった。これまた映画愛にあふれた作品。

「ギケイキ2 奈落への飛翔」町田康

つくずく思う、人間は首尾一貫しようとして滅ぶ、と。 「スキゾキッズ」なんで言葉を思い出しましたな。 30年ぶりに再読してみようか。

『ミスト』

エイリアンものでありながら、宗教や人の業を描いていた。フランク・ダラボン脚本・監督、スティーブン・キング原作もの。バッドエンド(イヤミス)ものとしてもちょいとバズった? 一作でもある。

『イメージの本』

気持ちよく眠れるかなと思ったが、逆に目をこじ開けられるかんじ。「言葉を凝縮してイメージを飛ばす」とは私の俳句の師が言っていたことだけど、まさにそういうことなのかなと思った。黒沢清監督の言う文字のパカパカも健在というか、パカパカしまくり。ゴダール、88歳。表現を止めるなというメッセージ。

「すべての、白いものたちの」ハン・ガン

雑誌「文藝」のアートディレクションが変わっていた。AD 佐藤亜沙美、川名潤の新コーナー「この装幀がすごい!」で紹介されていた一冊。手にとっても、読んでも美しい。心の暗闇を白日の下にさらす。この作家の他の作品も読んでみよう。装幀は佐々木暁、このひとの仕事もチェックしてみよう。

「ガルヴェイアスの犬」ジョゼ・ルイス・ペイショット

「名のない物」とは何か。善意、ですかね。

「続横道世之介」吉田修一

1作目は映画で。世之介のその後というか、その前というかが気になって買ってみた。うまいこと平成回顧&2020に思いを馳せる展開となっており、ブクロのシネロサ行こっかなーとか、東京パラリンピックはチェックだなーとか思った。

「ダルちゃん」「れもん、よむもん!」はるな檸檬

三省堂神保町本店、新井賞なるコーナーにて。このコーナーかなり面白い。「えーえんとくちから」も買おうと思う。 「ダルちゃん」 「勝手にふるえてろ」的ないまの気分を不条理ファンタジーで。2巻も買おう。 「れもん、よむもん!」 山田詠美の帯コメントにやられて。東村先生の子だねえ。思いの外ディープな読書案内になっていた。

『ブラック・クランズマン』

『ドゥ・ザ・ライト・シング』以来の日比谷シャンテ。感慨深い。反論されることを承知で、というか先回りして表現をするのだというアティチュード。居ても立っても居られない感。美しい顔、顔たちが映し出される演出。アダム・ドライバーが演じる役どころに背負わせたメッセージ。最後に笑い飛ばす。エンロールはプリンス。

「消えた警官 ドキュメント菅生事件」坂上遼

何これ、メチャクチャ面白い。ここまでくるとエンターテイメントですな。「書評のメルマガ」で知った一冊。 権力っつうのはあらかじめ腐敗することが内包されてるんだったっけな。嘘が引っぺがされていく過程がスリリング。

「FACTFULNESS ファクトフルネス」ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド

クイズの正答数は2問であった。思っていたのと違っていた。何かを暴くものなのかと思っていた。「ドラマチックすぎる世界の見方」を変えようと言う。いわゆる良識を訴える本(追記:マイケル・サンデル、トマ・ピケティ、ナオミ・クラインとか)なのだが、世界の見方を誤るとビジネスチャンスを失うぞという切り口が新鮮。たとえば、東日本大震災による原発事故の放射能で亡くなった人はひとりも見つかっていないファクト(追記:震災による死者は約1万6,000人で推移中)。そこからできることを考えてもいいよねという気分になる。スイスの製薬会社の話も思い込みを捨てよという教えとは別の視点で気づきがあった。知らなかったがTEDの名物スピーカーでもあった人でプレゼンテーション力、影響力も駆使されているのだろうが、最後にはちょっと泣けてきたりもしましたな。

「燃えつきた地図」安部公房

時代背景は昭和なのになぜだろうサイバーパンクっぽい。レトロフューチャーなのか。キレイとキタナイのミクスチャー。ストーリーのループ感、ロールの入れ替わり感。 彼女は探し求める。ぼくは身をひそめつづける。 過去への通路を探すのは、もうよそう。手書きのメモをたよりに、電話をかけたりするのは、もう沢山だ。

「砂の本」ホルヘ・ルイス・ボルヘス

Tokyo No.1 Soulset「Jive My Revolver」の元ネタでしたか。読んでから気づいた。何この聞いたことのあるフレーズ。まさに、 ”もはや、われわれには引用しかないのです”。  『ここ』と『いま』からは逃げられない。

「死に山」ドニー・アイカー

VICEみたいなネタものではあるのだが、最後に不覚にも感動が押し寄せてくるのだった。雪解けという言葉が重層的に響く。エクストリーム・ジャーナリズム。

「神の水」パオロ・バチガルピ

水メジャーが武装化する世界も近いのかもしれない。現実に基づくジャーナリスティックなSF。であると同時にサイテーな世界の描写がバチでガルピしてる。今どき目は灰色ではなくJPEGでなくてはなるまい。