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「推し、燃ゆ」宇佐美りん

「推し」というバズワードを使って、書きたいことを書いた純文学作品。 現代若者のお悩み、病み、および闇が乾いた文章で描かれていて、 「廊下の真ん中でペンを突き立てるようにして書いている途中、軽い痙攣がまぶたを打ち、脇に挟んでいたリュックサックが滑り落ちた」「なんでそんなことになるまで言わんのよ」「「せいじゃなくて、せいとかじゃないんだけど」息を吸い損ね、喉から漏れた音が出る」 など簡潔な記述が心を揺らす。かもしれない。もし文芸賞メッタ斬りの俎上に乗ったら、最後の綿棒のくだりは突っ込まれそうだ。「かか」も読んでみよう。