スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

10月, 2022の投稿を表示しています

「地図と拳」小川哲

 これは間違いない傑作。どの辺りがそうなのか。自分の整理のために書く。 戦争に対する考え方が当時の若者の目線で描かれており、その切り口は今までになく斬新かつ、自然に感じられ、そのかんじ感は今の戦争について考えることにも通じており、今、読むべき作品として傑出している。 ダニエル・ヤーギンの最新作が「The New Map」だったりする符合も今、トピックすべき必然であり、面白い、興味深い点。 この作家らしい聡明で真剣にふざけている姿勢(語りの推進力)が、主人公たち、細川と明男の掛け合いにおいて最高であり、「嘘と正典」「黄金の書物」「SF作家の倒し方」から読んでてよかったと思ってしまう。 「青春」という名の雑誌が登場するが、まさに青春群像劇でもある。明男と仲間たちの物語、丞琳(母親と彼女くらいしか女性が登場しない)との関係性とか泣けるし、重要な横糸になっている。 以上、取り急ぎ。

「キンドレッド」オクティヴィア・E・バトラー

 アメリカの黒人女性が書いたSFである。1979年の著作。ジャネール・モネイが牽引しているという、アフロフューチャリズムの流れの中で再評価、再発されたようだ。フツーに近所の本屋さんの海外文学コーナーに置いてあった。