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「地図と拳」小川哲

 これは間違いない傑作。どの辺りがそうなのか。自分の整理のために書く。

戦争に対する考え方が当時の若者の目線で描かれており、その切り口は今までになく斬新かつ、自然に感じられ、そのかんじ感は今の戦争について考えることにも通じており、今、読むべき作品として傑出している。

ダニエル・ヤーギンの最新作が「The New Map」だったりする符合も今、トピックすべき必然であり、面白い、興味深い点。

この作家らしい聡明で真剣にふざけている姿勢(語りの推進力)が、主人公たち、細川と明男の掛け合いにおいて最高であり、「嘘と正典」「黄金の書物」「SF作家の倒し方」から読んでてよかったと思ってしまう。

「青春」という名の雑誌が登場するが、まさに青春群像劇でもある。明男と仲間たちの物語、丞琳(母親と彼女くらいしか女性が登場しない)との関係性とか泣けるし、重要な横糸になっている。

以上、取り急ぎ。





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