課長が言う「自意識が強く、観念的で、理想や言い訳ばかり並べ立てる。それでいて肝心の目の前にある現実をなめる」「わかった気になってそれらしい顔をする」。それを超えてようやくスタート地点に立てる。まともな仕事人になれる。了解です。その上で、こだわるな、逃げろと言っているのだなというのが、最後のパラグラフについてのわたくしめの解釈。お疲れさまです。
2冊ずつブックレビューします。
「推し」というバズワードを使って、書きたいことを書いた純文学作品。
現代若者のお悩み、病み、および闇が乾いた文章で描かれていて、
「廊下の真ん中でペンを突き立てるようにして書いている途中、軽い痙攣がまぶたを打ち、脇に挟んでいたリュックサックが滑り落ちた」「なんでそんなことになるまで言わんのよ」「「せいじゃなくて、せいとかじゃないんだけど」息を吸い損ね、喉から漏れた音が出る」
など簡潔な記述が心を揺らす。かもしれない。もし文芸賞メッタ斬りの俎上に乗ったら、最後の綿棒のくだりは突っ込まれそうだ。「かか」も読んでみよう。