岩波文庫版で。コペル君が言う「人間分子の関係、網の目の法則」って戦後の経済学で言う「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」ですよね。色褪せない名著。1937年作。マガジンハウスの編集者のセレクト感もすごい。松田道雄「育児の百科」あたりが次に来ると見た。
課長が言う「自意識が強く、観念的で、理想や言い訳ばかり並べ立てる。それでいて肝心の目の前にある現実をなめる」「わかった気になってそれらしい顔をする」。それを超えてようやくスタート地点に立てる。まともな仕事人になれる。了解です。その上で、こだわるな、逃げろと言っているのだなというのが、最後のパラグラフについてのわたくしめの解釈。お疲れさまです。