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「CODE-インターネットの合法・違法・プライバシー-」
 ローレンス・レッシグ(翔泳社)
[CODE and other laws of cuberspace]

アメリカの大学の法律の先生が書いたインターネットの本。

「クルーグマン教授の経済入門」ポール・クルーグマン(メディアワークス)
「ラスベガス☆71」 ハンター・S・トンプソン(ロッキング・オン)
などブッ飛んだ文体で知られる山形浩生・訳

・人のふるまいを規制するもの4つ

「法律」
簡単な例。道交法をちょっと書き換えただけで
みんな一斉にヘルメットかぶったり,シートベルトしたりしてる。

「規範」
ご近所の評判。不文律。
食事の誘いを断ることはできるが,
無礼な奴だとウワサされるかどうかは選べない。
選択の余地はいろいろあるが,
その帰結からは逃げられない。
じゃ,自由って何?

「アーキテクチャ」「市場」
建築,広義でテクノロジー。

ちょっと衝撃的と思われた具体例。
ミシガン州で1948年,
指定の土地を黒人に売ってはならない
という人種隔離の法律が憲法違反で廃止に。
1948年以降,建設された高速道路,敷設された鉄道は
あるパターンで構築されている。
白人の住居区と黒人のそれを分断してるとかしてないとか。

ゾーニングやフィルタリングによって見えない差別・規制が可能。

サイバー空間ではそれがもっと簡単にできる。
顧客名簿や利用履歴が検索可能なデータベースへと
アーキテクチャが変わったとき,
たとえば私たちはマイレージのポイントによって差別(規制)される。
つまりこりゃマーケティングってやつだ。
認証プロトコル(P3Pなど),暗号化技術(PKIなど)の
策定は市場(eコマース)のためであって
たぶんほんとは,お上(電子政府)や法律なんかのためじゃない。

「CODE」
ソフトウェアのプログラム。
サイバー空間で法律にとって替わるもの。
法律よりも強力に強制的に,そうと気付かれずに
人のふるまいを規制するようになるとレッシグ先生は予言する。

「マトリックス」のなかではCODE(プログラム)を書き換えれば
空だって飛べるし,カンフーの達人になれるし,弾もよけられる。
でも限界はある。それがアーキテクチャによる規制だ。
死んでもチューしたら生き返るなんて茶番だ?
だから全部CODEなんだってば。
ソフトウェア同士が干渉してアーキテクチャに変化を及ぼしたのを
分かりやすくGUIにしただけってことでいいじゃん。

関連サイト
レッシグ先生,吠える。

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