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「フルトラッキング・プリンセサイザ」池谷和浩


「サーチエンジン・システムクラッシュ」との共通意識をかんじるが、まだ言語化できていない。あと『ベイビーわるきゅーれ』のふざけた真摯さと切なさと愛しさと心強さと。って最近何でも『ベイビーわるきゅーれ』だな。

7月、読了直後、感想を書いていたのだった。

フルトラッキング・プリンセサイザ

チェンジ・インボイス

メンブレン・プロンプタ

の連作を収録。


「サーチエンジン・システムクラッシュ」みたなタイトルの響きが、何だこれ感があり挑んでみたくなる。


なぜ女性三人が主人公なのか、ちょっと違和感。読み進めて、ジェンダーレスな配役であることに腹落ちしてくる。

「君の六月は凍る」的な。


言葉の引っかかりや、日常、所作の説明的で理屈っぽい描写にリアルが宿る。リアルとはデジタルツインを含む。


これらは、プロンプト・エンジニアリングにも通じているという示唆。「メンブレン・プロンプタ」の章末に記述されるいくつかのプロンプトは、明示的な情景でもあり、詩や自由律俳句のようでもある。左川ちか、あるいは又吉、せきしろの共著のような。


ニューロマンサーのように渇いた世の中を慎重に渡世するフリーランサー。酒飲みのハードボイルド。何度も確かめる。何か見過ごしていないだろうか。これは読者への問いかけでもある。


あと、装丁が「タイタン」野崎まどに似てると思った。



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